偏差値というのはよく聞きますが、
一体どんな数値なのか?
世間では
偏差値でいろんなことを判断されたり、
優越感に浸ったり
劣等感に陥ったりします。
果たしてこの数値の意味をしっかり理解している人は
どのぐらいいますでしょうか?
この記事では偏差値の求め方とその意味
解釈する際に注意する点をお伝えします。

どうしても気になる場合は
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「優しく」ご指摘いただければ
助かります。
参考・引用文献
下記の資料を中心に執筆しています。
各所で引用元を記すべきですが
煩雑になるのを防ぐため
こちらでまとめて明示いたします。
書籍
- 統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)
- 統計学入門 (新経済学ライブラリ)
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
動画
- 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
- ヒキミChannel-高卒が大学数学を独学してみた-
- 10分で単位が取れる、理系科目のサクっと講義
- 塾講師オザワのていねいな授業
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
偏差値の求め方
まず準備として、平均と標準偏差を求めます。
ざっくりと説明すると、
平均はデータの集まりの真ん中となる値で、
標準偏差はデータのばらつき具合を表す値です。
これを計算します。
$$\mu = \frac{x_1 + x_2 + \dots + x_n}{n}\\
\sigma = \sqrt{\frac{(x_1 – \mu )^2 + (x_2 – \mu )^2 + \dots + (x_1 – \mu )^2 }{n}}$$
$$x_1,\dots ,x_nは各個人のテストの点数。\muは平均。\sigmaは標準偏差です。$$


点数xに対して偏差値Xを次のように定義します。
$$X=\frac{x-\mu}{\sigma}\times 10 + 50$$
平均μと同じ点をとれば偏差値は50となります。
この50からどれだけ離れているかで、
上位から何%の位置にいるかを
示しています。
ただし重要な前提条件があります。
それはテストの点数の分布が「正規分布」になっていることです。
正規分布というのは簡単に説明すると
真ん中である平均が一番高くて
左右に広がるにつれてだんだんと低くなっていく
という散らばり方を表しています。
ベルのような形を想像してください
このベルの尖りぐらいの差が
標準偏差の大きさに反映されます。
この偏差値Xという値によって
上位から何%の範囲にいるかがわかります。
同じテストでなければ、平均点や標準偏差が異なるのが普通です。
平均点や標準偏差が異なるテストの点数を比べることができないので、
偏差値によってどのぐらいの位置(上位)にいるかを
相対的に測ることができるのです。
この偏差値は注意しなくてはならない点が一つあります。
それは分布が「正規分布」であることです。
つまり正規分布でなければ、偏差値の値は
極端に大きくなったり小さくなったりして
測りにくい数値になります。
例えば、分布の山が2つあるテストとかは
偏差値でいくつだったかは、あまり意味のない数値です。
ですので、たまに学校のテストで
極端に分布が偏っていたり、分布の山が2つあったりする
場合がありますので、注意が必要です。
偏差値は大学の学力レベルの目安として、
使われることがほとんどです。
大多数の人数が受けるテストでは、
ほぼ正規分布に従うので、
おおむね問題ないと思います。
あくまで目安に過ぎないので、
この数字に一喜一憂しすぎないようにしましょう。


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