池の波紋や、音・光は波と呼ばれています。
生活にも身近で、実際に目で見ることもできるので
「波」のイメージはつかみやすいと思います。
高校の物理ではそれを数式で表し、
様々な性質やそこから問題を解いたりします。
3次元の立体的な現象(時間軸も入れると4次元)なので
頭で理解して感覚に落とし込むのに時間がかかる人が多い分野です。
この記事では、その波動の分野で学習できる内容を網羅しています。
波動の基礎
知識0の方、
訳が分からなくなったので一通り復習したい方
が見ておくべき動画です。
45分と長いですが
波の基本的な説明はこの動画で学習できます。
細切れで見てもいいので、一通り視聴をおすすめします。
分からなくなったら、この動画に立ち返ってください。
後半に微分の話が出てきますが、
まだ習っていなければ飛ばしてもかまいません。
主な内容をまとめてみます。
波の基本情報
単振動は等速円運動の射影
各点の単振動の変位が伝わることで波になる
各点で媒質が上下に振動している。
媒質が伝わっていくのではなく、
変位が伝わっていく
横波:弦の振動、S波
縦波:音波、P波
媒質の振動する方向と変位が進んでいく方向が
直角ならば横波、並行ならば縦波になります。
$$A : 振幅(m),\lambda : 波長(m),T : 周期(s),f : 振動数(1/s),v : 速度(m/s),\omega :角速度(rad/s)$$
$$y=A \sin (\omega t +\phi)$$
$$v(m/s) = f \lambda = \frac{\lambda}{T}$$
$$f = \frac{1}{T}$$
$$\omega t + \phi :位相$$
y-tグラフ:ある定点でどのような変化をするか
y-xグラフ:ある瞬間でどのような波の形状(波形)をとるか
波のエネルギーは振幅の2乗と振動数の2乗に比例
縦波がよくわからない方へ
冒頭の動画でも説明していましたが、
こちらの動画でも縦波について解説しています。
こちらでは振り子を使って疎と密を説明しています。
波の式
位置x,時間tのときの変位yを表す式
$$y = A \sin \frac{2\pi}{T}(t-\frac{x}{v})$$
$$=A \sin 2\pi(\frac{t}{T} +\frac{x}{\lambda})$$
$$\omega = \frac{2\pi}{T} :角速度(rad/s)$$
$$s=\frac{x}{v} : 位置xに到達する時間(s)$$
y-tグラフ(定点の時間変化グラフ)とy-xグラフ(ある時間の波の形)の
相互関係を理解できるかどうか。
媒質の各点は単振動しています。
この2つの動画を見れば、おおよそ理解が進むかと思います。
位相
波を理解するうえで「位相」という言葉の理解は必須です。
位相というのは英語でいうと”phase”(フェーズ)といいます。
フェーズは「段階」とかいう意味で使われたりしています。
波の場合、どのように解釈すればいいか?
それは、波の各点の振動がどの段階にいるか?
波の各点の振動は単振動です。
単振動は円運動に変換できます。
円運動のどの位置にいるか?
これを位相と呼んでいます。
回転運動のどの位置(段階)にいるのでしょうか?
というのを位相の値として表しています。
干渉条件
2つの波の合成波は
$$Y=y_1+y_2$$
干渉のカギは「位相の差」です。
強め合う条件
$$|l_1 – l_2|= m\lambda(m : 整数)$$
弱め合う条件
$$|l_1 – l_2|= (m+\frac{1}{2})\lambda(m : 整数)$$
ヤングの実験
2つの波の経路差を求めています。
物理では近似式が良く出てくるので、
覚えてしまいましょう。
どうしても理解したいということであれば数学の分野の
知識も必要になります。
ホイヘンスの原理
波は各点で円形の小さな波(素元波)が合成したもの
というのがホイヘンスの原理です。
これはとても重要な原理なので理解が必須です。
なぜなら合成波や反射、屈折を知る上でこの原理が元になっているからです。
回折
ホイヘンスの原理から波の回折という現象が説明できます。
波長が大きいほど、壁の後ろ側まで波が伝わります。
波長が小さいほど、直進性が強いです。
障害物に比べて音波は波長が大きいので
障害物があっても大きく回折して
音を聞くことができます。
また、同じように電波時計、AMラジオ放送も
障害物と比べて波長が長いので大きく回折して
部屋の中や山を越えても電波を受信することができます。
屈折と反射
屈折
光の屈折についてダイヤモンドを使って知ることができる動画です。
CGはやっぱりわかりやすい。
日本語字幕表示モードでご覧ください。
光というのは波の性質もありますが、
光子と呼ばれる粒の性質もあることを原子物理や量子力学で習います。
そのあたりはさすがに難しいと思うので最初のうちは理解できなくても問題はないです。
後半部分で、電場と磁場は存在せず…光子の交換によって…
という電磁気学で教わったことを覆していることを述べています。
何が真の姿なのかよくわからなくなってきます。
レンズ
凹レンズ、凸レンズの基本的な性質を分かりやすくまとめています。
レンズがなぜ逆さまに映るのか、というのもわかります。
光の性質である
- 直進性
- 逆行性
この2つからレンズの性質を読み解いていきます。
音波
音という生活に身近な題材なので、
実生活、実体験に変換して理解すると
勉強がはかどります。
うなり
ビープ音が2つあると自分が移動したときに
音が聞こえるところと、聞こえにくいところが存在します。
うなりの現象は割と簡単に確認できます。
ピアノの調律でもうなりが発生しないように
調律師が調整します。
ドップラー効果
救急車のサイレン音の高さ(周波数)が
近づいてくる場合と遠ざかる場合で
若干異なるという現象で知られています。
よく耳を澄ますと音の高さが変わっていることが分かります。
動いている物体と波の関係がもたらす現象です。
実は光でもドップラー効果があります。
光波
光速
光の速度を求めるために様々な実験が行われたことを振り返っています。
天文学と関わりが深いのがなかなか興味深いです。
偏光
光の振動面はあらゆる方向が混じっています。
偏光フィルターを使うと一方向のみの振動面を通すことができます。
偏光に関する動画を見つけたのですが高校生には難しい動画ですね。
私も理解が進みませんでした。
波動のおさらい動画
最後に波のほぼすべての性質が網羅されて説明されている
良質な動画を消化します。
英語で説明していますが、日本語字幕を表示すれば
十分に理解できます。
光の反射、回折、干渉の部分がとても分かりやすいです。
最後は量子力学の分野にまで入っていますが、
分からなければ飛ばしてください。
こちらは公式を説明しています。
波動分野のおさらい動画としてご活用ください。
雑学
背伸びしたい方へ
波の重ね合わせについてCGでわかりやすく説明されています。
鏡の世界について説明をしています。
ちょっとややこしい感じがします。
一回見ただけでは理解ができませんでした。
一回見ただけではまったく理解できない…
まとめ
波は一点一点が単振動を繰り返す
という単純な運動ながらとても奥が深いです。
知れば知るほど、訳が分からなくなりそうになりますが、
そんな時は、また定義や基本に返れば大丈夫です。



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