【高橋洋一著】バカな外交論 外交の基本 「どう考えても当たり前」のこと【解説&感想】

書評

外交の本から外交だけでなく
人間関係の基本や
説得力のある思考力も学ぶことができる本があります。

それが

バカな外交論
外交の基本 「どう考えても当たり前」のこと

という本です。
この記事ではこの本を紹介します。

こんな方におすすめ

  • 外交を見るべきポイントを知りたい方
  • どこにいっても人間関係がうまく作れない方
  • 説得力がある思考力を身につけたい方
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この本の解説

この本で得られること

  • 外交の常識を知ることでリスクを正しく判断できる
  • 人間関係を作る基本と付き合い方がわかる
  • 思考力という「考える武器」を手にするためのコツがわかる

この本が出版された背景

この本が出版されたのは2014年10月です。

第二次安倍政権は2012年12月に始まりましたので、
約1年10カ月ほど経った時期になります。

この時の顔ぶれとして
アメリカはオバマ大統領が2期目(6年目)。
中国は習近平国家主席(2年目)。
韓国は朴槿恵大統領。
北朝鮮の最高指導者は金正恩第一書記。
ロシアはプーチン大統領。
イギリスはキャメロン首相。
フランスはオランド大統領。
ドイツはメルケル首相。

今も続く長期政権の国もありますが、
メンバーは入れ替わっています。
アメリカのトランプ大統領になってから
大きく路線が変わりました。

続編と捉えていいのかわかりませんが
その後、このような本も出されています。

外交戦 ~日本を取り巻く「地理」と「貿易」と「安全保障」の真実~

2019年に出版ですので、
トランプ大統領就任後の世界情勢も
踏まえた時代で知りたいのであれば
こちらの書籍の方がいいかもしれません。

目次を見る限りですが、
被っている内容も多いです。

外交の常識を知ることでリスクを正しく判断できる

この本には外交の基本常識と思われることが記載されて言います。
たとえばこんな感じです。

  • 民主主義の国同士は戦争しない
  • TPPによって生産者の利益が減るが
    それ以上に消費者の利益が増える。
    国全体としては利益が増える
  • 貿易摩擦や歴史認識で揉めるのは、口げんかに過ぎない
  • 経済制裁は本当に相手国を経済的に困窮させることが目的ではない

これらを知っておくだけでも
いかに起こりえないことが報道されているか
重箱の隅をつついて揚げ足取りをしているだけなのか
報道を見る目を養うことができます。

人間関係を作る基本と付き合い方がわかる

どこにいっても人間関係がうまく作れない人は
他の人にとっては当たり前のことが理解できていなかったり
(主にマイナスの)感情が先走ってしまって
冷静に考えられないという傾向があります。

他の人には当たり前にできていることが
その人には当たり前にできていない可能性が高いです。

そういう方にはこの外交のやり取りが
人間関係の信頼関係の作り方にとても参考になると感じました。

国と国のお付き合いを人と人のお付き合いに置き換える

イジメなど人間関係をうまく作れない理屈がわかります。
人間関係を円滑に進めるうえでのヒントになります。

外交とは国と国のお付き合いのことです。
よく一人の個人を国に置きかえて説明します。
しかし、国のお付き合いのノウハウや常識は
そのまま個人のお付き合いの常識になるではないか
そういう視点で読むと、大きな価値がありました。

特に職場、学校、近所、同業ライバルの経営者などの
自由競争のマウントの上位に行くような
お付き合いではまさに外交と同じではないでしょうか?

なぜなら、そこは国益ならぬ
個人の利益の確保を目的としているからです。
(もちろん監視役もいますが
「見てみぬふり」「不介入」としている場所が多い)

その視点で見ると外交に当てはまる部分は多いです。

外交の目的は「自由貿易」と「安全保障」の確保と書かれています

これを職場で当てはめれば
「スキル・能力や成果物を融通しあう」のが「自由貿易」にあたり
「何かあったときはお互い様ね」とか
ピンチのときに助けてもらう、手伝ってもらう
というような互助が「安全保障」にあたる
と考えられます。

こう考えると

  • 上下関係の共有(超大国とそのメンバー)
  • 仲良しグループ(同盟国の集まり)
  • 危険な相手との距離の取り方(他国からの脅威)
  • 他の派閥とのお付き合い(欧米とも中ロとも程よく距離をとる)

というものがそのまま当てはめられます。

また普段からのお付き合いもわずらわしいけど
やっぱり重要(対ロシアとか対中国とか)
というのがわかっていきます。
お付き合いがイヤならスイスみたいな
永世中立を貫く生き方も
なくはないです。
しかし、いざというときには誰からも助けられないので
自らが身一つで武器を持って戦うことになります。
またそれを避けるためにも
桁違いの「外交努力」と言うものが必要になります
それがスイスという国の立ち回り方です。

もしそれができるならば、
その人がこの文章をここまで
読み進めないと思います。

私も含め大半の人は普通の人間です。
スイスのような生き方がかなり難しいです。

何のために「お付き合い」をするのか

外交の歴史から何が学べるかというと

  • 自分の目標(自由貿易)と自衛(安全保障)を明確に設定し
    そのためにどの行動をするべきか
  • お付き合いには自己の好き嫌いの「感情」は一切不要
  • 設定した自分の目標と自衛だけを果たすことにだけを考えて行動している

外交は隣人に「騒音おばさん」がいても
自衛のためにその人と交渉すべき時にはしなくてはいけない
騒音おばさんが好きか嫌いかは全く関係がない。

過去に無視し続けたとしても
状況が変われば平気で手のひらを反したり
他国のことの口出しや介入、
押し付けを平気でやる世界です。

大半の人は外から口出しや介入をされたくないでしょうから
自衛のために行動しなくてはなりません。
そこには他者の協力や助けを得たり、
自力で突破することもあります。

人間関係が上手くいっていない人は
どうもこの「外交」がヘタなように感じます。
(私のことです)

みんなでつるむのは
自慢話や愚痴を聞いてもらうためでも
八つ当たりするためでもなく
「目標」と「自衛」のためです。
(もちろん派閥のボスになれば
そういう権限も与えられますが
本来の目的を忘れてはいけない)

自分の好き嫌いの感情を優先させて行動したり
すれば周囲から容赦なくペナルティが課されます。

イジメにあってしまうのも
自由貿易と安全保障のことを
周囲とうまく話し合えなかった結果と言えます。

理不尽な話だと思いますが
イジメる側から見ると
何らかの理由で攻撃しても大丈夫だと
認定されてしまったのだと思われます。

不当な攻撃にあっていても、
自衛しないととことんまで追い詰められます

いかにして目標と自衛を確保するか
ポイントは

自分にとっての目標と自衛をとことんまで突き詰める

ことです。

自分の好き嫌いの感情は捨てて、
目標と自衛を達成する行動を追及する
以外にも外交の本を読んで
このような学びが得らえました。

思考力という「考える武器」を手にするためのコツがわかる

第5章では外交を通じて
「考える武器」という思考のステージを上げるための
考え方を提示しています

分かったつもりになったりとか、
自分の断片的な知識が正しいことありきで
論理を組み立ててしまうことがある。
それでは説得力のある文章が書けません。

この章では、考えるコツを分かりやすく説明しています。
その一例が「英語で説明できるか?」

英語で説明しようとすると、なんとなくわかっていたことや
当たり前だと思っていたことが
じつはきちっと理解していないと
説明が一気にあやふやになる

説得力んある文章や説明に
必要なのがファクトとロジックであり
意見や主張を入れるときは
これがしっかり入っているかを
自分でチェックするといいです。

この章だけでも十分に1冊の本として
売り出せるのではないかと感じます。

著者・高橋洋一氏の経歴

この本の著者は元財務官僚の高橋洋一さんです。

高橋洋一さんの特筆するべき特徴としては

元官僚による文章なので
説得力のあるわかりやすい説明

です。

官僚は常に政治家に対して、
説明する機会が求められます。
政治家の方は勉強はしていても
官僚ほど専門的な知識がないことが一般的で
さらに時間も限られています。

そのなかで、
理解させる説明ができなければ
「あいつの言っていることはわからん」
と言われてしまう厳しい世界です。
その世界の中で鍛えられた文章は
すごくわかりやすいです。

こちらの記事で詳しい経歴を紹介しています。

SNSなど発信媒体

他の著書

元官僚の方なので霞が関の話や政治の話が聞きたい。

また官僚という立場は
どんな思考や力学が働くのか
このあたりの実情も聞いてみたい。

そして国家を運営する立場としての
今後の日本を知りたい。

このあたりのことが分かりそうな本を選びました。

政治家も官僚も国民に伝えようとしない増税の真実

ポスト・コロナ「新しい世界」の教科書

たった1つの図でわかる! 図解経済学入門

読者の反応

2014年だから3年前の本。日本はこの3年で随分と変わってしまったなぁ…という印象。この頃はアベノミクス絶好調、外交も上手くこなした安倍首相。外交とは「貿易」と「安全保障」について他国と話し合うこと。外交に強く安倍一強政治が続いていたが今はマスコミによる偏向報道で安倍おろしの方向に傾いている。もちろんこういう背景には安倍政権の驕りもあっただろうがアベノミクスの効果で失業率が改善しこれから国民の所得が増えてゆく所は全く報道されない。グローバルで正しい視点が求められる今高橋洋一先生の本はすごく為になると思う。

読書メーターより引用

感想

これを選んだ理由、買った理由、読んだ理由

高橋洋一氏の著書を読み漁っています。
先日読んだ「世界のニュースがわかる! 図解地政学入門」も面白かったのですが、
そこから外交のことも知りたくなりました。

基礎知識をしっかり学ぶ機会もなく
分かりやすい書籍に出会わずにきたので
ここらで勉強しようと思った次第です。

この本から感じたこと

  • 田舎よりも濃密で陰湿な外交というお付き合い
  • 韓国の八方美人的な立ち回り
  • 生まれる国は選べない。その中でどう生きるか

田舎よりも濃密で陰湿な外交というお付き合い

田舎の人間関係のお付き合いが苦手な人は多いです。

  • 距離感の近い関係
  • やたらと会合も多い
  • 上下関係も厳しいが
    対等な関係のマウンティングも厳しい

相互監視の世界が想像以上にすごいのが田舎の人間関係です。
でも、外交はそれを上回ります。

先ほども書きましたが、
「騒音おばさん」が近所に住んでいても
ある一定のお付き合いが生じたり、

なかには殺し合いをするぐらいのケンカ(戦争)をしても
何事もなかったかのように仲良くしなくてはならない。

他の国からは介入され、
ときには奪われることもあります。

そこには打算による引力が働き
常に自分を守っていないと
容赦なく奪われてしまう世界です。

田舎の人間関係の比ではない。

だからこそ、
この外交のえぐい歴史の積み重ねが
イジメに合わない人間関係にも
通ずるところがあるのかな
なんて感じました。

韓国の八方美人的な立ち回り

朝鮮半島は地政学的にも紛争の多い場所の一つです。
北から南からいろんな国に
何度となく侵略され支配された歴史があります。

こういう歴史をたどっているためか、
どうしても中国、ロシア、アメリカなどの
大国のご機嫌をとり、
双方に敵対視されず、
またどちらかに近づきすぎずという
微妙な距離感を求められ、
うまく八方美人的な立ち回りで切り抜けるしかないのが
この国の宿命と言ってもいいようです。

「お前は俺様の見方だよな?!」
と2人のジャイアンに脅されている状態を
いかにどちらも怒らせずに切り抜けてきたか。

ここがこの国から学び取る立ち回り方なのでしょう。

生まれる国は選べない。その中でどう生きるか

生まれた国が小国なのか大国なのか、
近隣国の政治体制、
地理的条件、
様々な要素が重なる中
生き残っていかなくてはならない世界。

いかに自分たちの立場や条件、環境を理解し
そこから何を得たいか、
何を失いたくないか
これらをとことん突き詰めて対処していく。

国民としてはその条件の中で、
どう生きていくか冷静に判断する必要があります。

スイスや韓国の他にも
イギリスやフランス、
ベトナム、インドなど
いろんな国の立ち回りを
知りたいなと思いました。

まとめ

  • 田舎の濃い付き合いよりも濃密で陰湿な外交というお付き合い
  • 韓国の八方美人的な立ち回り
  • 生まれる国は選べない。その中でどう生きるか

この本は外交の本ですが、
人間関係の基本というか参考になる本だと
思ってしまいました。

全く別の話だと思っていたら
思わぬ分野と結びついたりします。
本にはこういう出会いがあるから
面白くてやめられない。

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思考力を鍛える本といえば
この本が筆頭ではないでしょうか。

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