こちらの補足記事です。
では順番に解説していきます。
動画教材
三角関数
まずは三角関数です。
最初にsin,cos,tanとかでてきて面食らうかもしれませんが、
それほど難しくはありません。
ひとカタマリの記号です。
三平方の定理(ピタゴラスの定理)の証明
$$a^2+b^2 = c^2$$
三角関数の定義
$$\sin \theta = \frac{a}{c}\\
\cos \theta = \frac{b}{c}\\
\tan \theta = \frac{b}{a}\\$$
三角関数の大事な公式
$$\sin \theta + \cos \theta = 1$$
三角関数の再定義
$$0 \le \theta \le 90^\circ$$
これをθの範囲にしていましたが、
これを0~360°の範囲に広げた三角関数を
新たに定義しなおします。
ここでカギになるは円周です。
円周上の点をsin,cosに当てはめることで
三角関数のθの範囲を拡大できます。
余談ですが三角関数という名前がついていますが
理解するにつれて「円関数」という名前にしても
良かったんじゃない、ということに共感し始めたら
三角関数への理解が深まっている証拠です。
余弦定理の証明
余弦定理の証明をしていきます。
$$c^2 =a^2 + b^2 -2ab \cos \theta$$
加法定理の証明
$$\sin (\alpha + \beta)=\sin \alpha \cos \beta + \cos \alpha \sin \beta\\
\sin (\alpha – \beta)=\sin \alpha \cos \beta – \cos \alpha \sin \beta\\
\cos (\alpha + \beta)=\cos \alpha \cos \beta – \sin \alpha \sin \beta\\
\cos (\alpha – \beta)=\cos \alpha \cos \beta + \sin \alpha \sin \beta$$
微分
微分とは
元々はその瞬間の変化率を求めたもの
と言えばいいのでしょうか。
厳密な定義は別にあると思いますが
ここでは簡単な説明にとどめます。
この動画でもまずは微分の説明から始めています。
この動画でf(x)という表記が出ていますが、
これはxを使った何らかの式
だと思ってください。
例えば、
$$x^2+3x+1,\sin x , \cos 2x ,\sin x + x^2$$
などのような式です。
つまりxが登場する式全般をf(x)と表記しています。
そうしないと、いちいち言葉でxを使った式と
説明する必要が出てきます。
このy=f(x)の変化率について考えます。
変化率を(yの増加量/xの増加量)と定義します。
xがhだけ増加するとyはどれだけ増加するか。
それは
$$f(x+h)-f(x)$$
のように表されます。
変化率は
$$\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$
となります。
微分はある地点xのその瞬間の変化率です。
それを次のように定義します。
$$f'(x)=\lim_{h\to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}$$
f'(x)はf(x)を微分した関数(導関数)といいます。
$$\lim_{h\to 0}$$
この表記は
hを限りなく0に近づける
という意味です。
極限という考え方で
分母が0や無限に大きくした場合に
ある値に近づくということが起こります。
その値を取り扱うときにこのような表記を使って
説明しています。
慣れが必要ですが、
hを0に近づけることで値がいくつに近づくか
ということがイメージできることが重要です。
ここでは$$f(x)=x^n$$の微分しています。
自由落下運動
自由落下運動とは
例えばボールを持った手を
そっと話したときにボールが
下に落ちていく運動のことをいいます。
特徴としては
最初はゆっくり落下していきますが、
時間が経つにつれて、
だんだんと速度が上がっていきます。
落下する位置と時間の関係は
二次関数になります。
高校の物理で最初に習う
等加速度運動ですが、
ここでは簡単な説明にとどめます。
ここではその二次関数の変化率、
つまり微分を求めています。
和の微分、積の微分
微分の基本について証明しています。
$$(f(x)+g(x))’=f'(x)+g'(x)\\
(f(x)g(x))’=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)$$
対数
対数の定義と性質
対数も高校で出てくる単元です。
こちらは指数に関する計算に特化しています。
まずは定義から。
$$a^b=cのとき\\
b= \log_a c(a \gt 0,a\neq 1,c \gt 0)$$
$$\log_a MN = \log_a M + \log_a N\\
\log_a \frac{M}{N} = \log_a M -\log_a N\\
\log_a M^N = N \log_a M$$
積が和になり
べき乗が積になります。
差は分数になります。
$$\log_a b$$のaを「底(てい)」と呼びます。
この底の値を自由に変換することができます。
$$\log_a b = \frac{\log_c b}{\log_c a}$$
大きな桁数を取り扱う
この対数を導入することで
大きな数を取り扱いや計算が楽になります。
また地震のエネルギーような
最小値と最大値の差が大きな範囲を取り扱うときも
対数を使うことで値の範囲を扱いやすくしています。
デシベルとか、マグニチュードは対数ですので
1大きくなるだけで真数(主にエネルギー値)が
大きく異なります。
ラジアン
弧度法(ラジアン)の導入
角度の単位はこれまで0~360°を一周とする「度数法」
というものを使っていました。
高校数学では0~2πを一周とする「弧度法」を使用します。
なぜ弧度法にするか?
$$\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$$
が成り立つのが一番大きな理由です。
sin xの微分
$$\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$$
これを使うことでsinの微分が下記のようになります。
\( (\sin x)’ = \Large{\lim_{h \to 0}\frac{\sin (x+h) – \sin x}{h} }\\= \Large{\lim_{h \to 0}\frac{\sin x \cos h +\cos x \sin h -\sin x}{h} }\\
= \Large{\lim_{h \to 0}(\frac{\sin x (\cos h -1)}{h}+\frac{\cos x \sin h}{h}) }\\
=\cos x \)
ネイピア数e
eの定義と定理
虚数i
虚数iの定義
中学で存在しない二乗してマイナスになる数を
高校ではそのような数を「定義」します。
名前を「虚数(Imaginary number)」と名付けました。
$$i^2 = -1$$
2乗して-1になる数を\( i \)と表記します。
複素数とその絶対値・演算
虚数を定義することで数の世界がさらに広がります。
実数と虚数を合わせた数を複素数と呼びます。
\( 2+3i,\sqrt{2} -7i \)というような書き方をします。
複素数\( z = a + bi \)絶対値\( |z| \)を
$$|z| = \sqrt{a^2 + b^2}$$
と定義します。
また複素数zを平面上の点(a,b)に対応させることで
複素数平面というものができます。
(横軸を実数、縦軸を虚数)
複素数zの平面上の点(a,b)について
原点とのなす角を\( \alpha \)とすると
$$z = \sqrt{a^2 +b^2 }(\cos \alpha +i \sin \alpha )$$
という表し方もできる。
これを極形式による表記といったりします。
極形式にすると計算が楽になることがあります。
複素数の和(差)は
\( z_1 + z_2 = (a+bi)+(c+di) \\
=(a+c)+(b+d)i \)
複素数の積は
\( z_1 z_2 = (a+bi)(c+di) \\
=(ac-bd)+(ad+bc)i\\
=|z_1|\cdot |z_2|(\cos(\alpha_1 + \alpha_2) +i\sin(\alpha_1 + \alpha_2)\)
複素数の積は
絶対値とかけて、角度を足せば
求められることが分かります。
ド・モアブルの定理
$$(\cos \theta + i\sin \theta)^n = \cos n\theta + i \sin n\theta$$
この式を使うと2倍角、3倍角の公式も
簡単に求められます。
指数法則
中学では累乗は正の整数のみでしたが
0乗、マイナス乗、有理数乗を定義しています。
\(
a^0=1\\
a^{-n}=\frac{1}{a^n}\\
a^{\frac{m}{n}}={}^n\sqrt{a^m}
\)
0!=1とする
$$n! = n\cdot (n-1) \cdots 1$$
さらに便宜上、0!を1としています。
組み合わせ数の定義を下記のようにします。
$${}_n P_k =\frac{n!}{(n-k)!}$$
ちなみに動画では語られていませんが、
こちらの数もこのように表現できます。
$${}_n C_k =\frac{n!}{k!(n-k)!}$$
オイラーの公式
多項式近似からの導出
\(e^x\)をマクローリン展開した式を示しています。
簡単に言うと多項式で近似しています。
$$e^x = \frac{1}{0!}+\frac{1}{1!}x+\frac{1}{2!}x^2+\cdots + \frac{1}{n!}x^n +\cdots $$
同じようにsin x,cos xについても多項式で近似します。
$$\sin x = \frac{1}{1!}x-\frac{1}{3!}x^3+\cdots + (-1)^n \frac{1}{(2n-1)!}x^{2n-1} +\cdots $$
$$\cos x = 1-\frac{1}{2!}x^2+\cdots +(-1)^n \frac{1}{(2n-1)!}x^{2n-1} +\cdots $$
これらの式から\(e^xにi\theta\)を代入して
$$e^{i\theta} = \cos \theta + i \sin \theta $$
が求められます。
ド・モアブルによる導出
$$(\cos \theta + i \sin \theta)^n = \cos n\theta +i \sin n\theta $$
この式から、導くやり方です。
$$\lim_{n\to \infty} (1 + \frac{a}{n})^n = e^a$$
$$\lim_{n\to \infty} \cos \frac{\theta}{n} =1 $$
$$\lim_{n\to \infty} \sin \frac{\theta}{n} =\frac{\theta}{n} $$
ここから下記のように求めます。
$$\lim_{n\to \infty} (1 + \frac{i\theta}{n})^n = e^{i\theta}\\
\lim_{n\to \infty} (\cos \frac{\theta}{n} + i \sin \frac{\theta}{n})^n = e^{i\theta}\\
\lim_{n\to \infty} (\cos \theta + i \sin \theta) = e^{i\theta}\\
\cos \theta + i \sin \theta = e^{i\theta} $$
極限をそのまま代入していいのかな?という
疑問はありますが、
流れは分かるかと思います。
バーゼル問題
$$\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\cdots = \frac{\pi^2}{6}$$
ここではこの式の証明ではなく
なぜ\(\frac{\pi^2}{6}\)を着想したのか?
という点について解説しています。
$$\sin x = x(\pi-x)(\pi+x)(2\pi – x)(2\pi +x)\cdots \\
\sin x = x(1+\frac{x}{\pi})(1-\frac{x}{\pi})(1+\frac{x}{2\pi})(1-\frac{x}{2\pi})\cdots \\
\sin x = x(1-\frac{x^2}{\pi^2})(1-\frac{x^2}{2^2 \pi^2})\cdots \\$$
これを展開したときに\( x^3 \)の項がどうなるかを考えると
最初のxとカッコの中のx^2の項がをかけたのがx^3になるので
$$-\frac{1}{3!}x^3 = -\frac{x^3}{\pi^2}(\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\cdots)$$
よって
$$\frac{1}{1^2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+\cdots = \frac{\pi^2}{6}$$
コメント
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