賃貸物件については
知識が疎く、
よくわからないことが多いため、
誰でも不安になります。
法律や医療と同じように
素人と専門家の差が大きな業界であるために
生まれてしまうため、
解消するためには、
素人である私たちが
最低限の知識を蓄えていくしかありません。
不動産業者との知識が少しでも埋まれば、
- 入居時の見積もりで不当な料金を請求されない
- 周辺地域の相場よりも割高な物件を選ばない
- 普段から現状復帰の状態を心がける
- 退去時に敷金が適切な値段で返戻される
となることができます。
賃貸物件に関する支払いで
ぼったくられないようにするための理論武装となる知識を記載します。
賃貸物件を押さえるだけで年間支出を数万円も抑えられる
賃貸物件は一度入居してしまうと
後は固定費として毎月の支出となっていく。
そのお金は収入の20%~30%もの負担になる。
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収入に対して1%でも少ない方がいい。
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どのぐらいの割合がいいのかは別の記事で紹介するわ。
ここで不用意に立地のいい物件や、内装のいい物件を選び、
生活水準を上げてしまうと、大きな出費となってしまう。
逆に生活水準を下げようとして
家賃を安くするだけで、その浮いたお金を貯めることに
回すことができる。
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家賃が3000円安い物件にするだけで年間36,000円も節約できる
支出を減らす上で大きな軸となる。
素人が気を付けるべき状況
ぼったくられる可能性があるのは次の5つ。
- 入居前
- 入居中の損傷・損害
- 契約更新
- 退去時
- 引っ越し
今回はこの5つの状況について解説をする。
不動産業界の仕組み
本題に入る前にまず知っておいて欲しいのが、
賃貸物件を借りる時の仕組みである。
登場人物はいったい誰になるのか
- 入居者(この記事を読んでいるあなた)
- 大家(アパートなどを貸し出している所有者)
- 代理店(大家に変わって入居者に賃貸物件を紹介したり、書類手続きをする業者)
この3者の関係を理解することから始まる。
入居者は部屋を借りようとしている人のことで
この記事を読んでいるあなたで、
代理店や大家によっては「お客」にあたる。
(推測ですが「契約相手」とは思われていないようです。)
大家というのは部屋やアパートの持ち主のこと。
基本的に顔を合わせることはない。
事務作業は全て代理店を通してやることになる。
代理店の役割は
それぞれの立場、役割と損得を考えて
行動する必要がある。
入居前に必要な知識
- 不動産業界の仕組み
- 相場相応の物件を探す
- 内見をする
- 契約時の見積もりで不要なオプションを削る
- 契約書の特約をチェックする
不動産業界の仕組み
賃貸物件を借りるときに登場するのは次の3人。
- 入居者
- オーナー(大家)
- 仲介業者
入居者というのはこれから部屋を借りようとする人。
オーナーはアパートや賃貸物件の所有者。
個人の場合も法人の場合もある。
仲介業者は入居者とオーナーとの間に入って
賃貸契約などの手続きや交渉を進めてくれる代理人的な立場の会社。
テレビCMで登場するのは仲介業者(の一部)。
本来はオーナーと入居者との双方が納得して借りれば
契約内容はどんなものでもいいが、
双方にとって煩わしさを解消できるメリットがあるので、
仲介業者の種類
- 知名度抜群のフランチャイズ店
- 地域密着の不動産店
知名度抜群のフランチャイズ店
CMで聞く企業名を思い浮かべていただければいい。
多くの場合、直営店ではなくコンビニのように
フランチャイズ契約で運営しているお店が多い。
物件探しでつい最初に入ってしまいがちだが、
メリットとデメリットがある。
地域密着の不動産店
一見入りずらそうな店構えの、
数十年の長いお付き合い、地元との関係を長く気づいているので
その地域限定で探しているならこちらの方がいい場合もある。
物件・地域の相場を調査する
住みたい物件の条件と
住みたい地域が決めて、
物件情報の検索を掛ける。
相場を調べるぐらいの情報ならすぐに手に入るので
調べてみる。
まずは下記のサイトあたりから検索をかけてみることをおすすめします。
日向咲嗣氏の著書「家賃を2割下げる方法」ではポータル型をおすすめしていました。
探し方の詳細な解説も載っているのでそちらをご一読するのもおすすめ。
内見をする
内見には必ず行くことをおすすめします。
例え遠方地であっても1日時間を取って
3~6件ぐらいは物件をチョイスして見て回ったほうがいいです。
なぜなら書類だけではわからない、
現場に行ってはじめてわかる情報があるからです。
例えば家具の配置。
今自分が持っている家具がちゃんと入りきるか。
メジャーを使って測ったり、
周囲の環境で、騒音があるかどうか、
駅までに暗い夜道はないだろうか。
このあたり、各個人の価値観で重視すべき情報は
物件情報には載っていない。
だから現場で確認した方がいいです。
契約時の見積もりで不要なオプションを削る
仲介業者から見積もりをもらいます。
載っている項目は
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- ハウスクリーニング
- 鍵交換代
- 家財保険(火災保険)
敷金は契約書の特約でも確認しておく。
礼金は下げれないか交渉する。
仲介手数料は本当にオーナーと折半になっているか確認する。
ハウスクリーニングは不要。
鍵交換代も不要。
家財保険は自分で探した(安い)保険に加入することができないか交渉する。
契約書の特約をチェックする
条文は一通り読んでおきます。
特に「特約」「契約期間」「更新料」、
これは必ずチェックしておきます。
退去時に、敷金が1円も返金されない
と受け取れるような「特約」が書かれていることがあるので
必ずチェックしよう。
入居中の損傷・損害
火災保険を活用する
入居するときに火事や破損、汚損などを補償するために
火災保険(家財保険)に入ります。
火災保険をしっかりと活用することが大事です。
想像以上に火災保険が適用できることがあるので
必ず確認しましょう。
ただし、契約時に火災保険の補償範囲が狭い保険で
契約してしまうと、適用できないことがある。
一部の仲介業者は紹介料の高い補償がスカスカの保険を
おすすめされる業者もあるようなので、
必ずチェックが必要となる。
契約更新
契約更新で一番怖いのが家賃の値上げ。
更新月が分かっていることから
立てられる対策は次の通り。
- 前もって更新料を積み立てておく
- 普段から周辺の賃貸物件の相場をリサーチしておく。
前もって更新料を積み立てておく
更新料を月数分で割り、その額を積み立てておく。
例えば契約期間2年で、家賃の1ヶ月分の6万円が更新料であれば、
6万円÷24か月=2,500円
となる。
意外と高いと感じた人が多いのではないだろうか。
更新料は入居した初月から前もって貯めておかないと
痛い出費となってしまうので忘れないように注意してください。
普段から周辺の賃貸物件の相場をリサーチしておく。
入居前にリサーチしたようにこちらもリサーチする。
頻繁に行う必要はなく、周囲の家賃相場よりも
割高になっていないかを確認できればOK。
退去時に必要な知識
- 退去費用の見積もりで不要なオプションを削る
- 原状回復費用で自分が負担すべき範囲を知る
- 原状回復費用の請求書で無効になる費用を指摘する
退去費用の見積もりで不要なオプションを削る
入居時にハウスクリーニングを支払っているのにも
かかわらず退去時にもハウスクリーニングを請求する業者もいるらしい。
もし入居時にクリーニングをしているのなら
次の入居者が負担するべき費用。
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全ての仲介業者がそうだというわけではないが、
「何もチェックしていない」というのは
カモられてしまうので注意が必要だ。
原状回復費用で自分が負担すべき範囲を知る
退去時に一番注意が必要なのは原状回復のための費用。
素人である私たちは「原状回復」の意味を取り違えていることが多い。
原状回復というのは
「普通に生活してて発生してしまう痛みや汚れ以外で」
物件に与えたダメージを復旧すること
を言う。
つまり普通に生活していただけなのに
クロスや畳の張り変えは不要と言える。
見積書のチェックを怠らないようにしたい。
国交省のガイドラインもあるのでご一読をおすすめします。
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そういう業者はほとんどないけど
ゼロではないからチェックは必要。
原状回復費用の請求書で無効になる費用を指摘する
最悪、仲介業者やオーナーがぼったくろうしていることが
明らかな場合は毅然と対応する必要がある。
実際に裁判で争った判例も
下記のようなNPO法人もあるので
チェックしておく。
引っ越し時に必要な知識
- 相見積もりを取る
- 不用品を売却する
相見積もりを取る
どこも激しい価格競争にさらされているから
どの業者も同じような値段になる。
ただし、担当者によっては人員を多くつけてしまい
大きく相場から外れた見積もりをつける事があるので
2社以上から見積もりを取り、
ちゃんと相場通りの金額であることを確認する。
もちろん、引っ越し業者にそのことを伝える必要はない。
不用品を売却する
引越する際に新しい住居に不要なモノ、入りきらないものは
処分が必要になる。普通に処分をする場合、粗大ごみの場合は
お金がかかってしまうので、ブックオフやメルカリなどで
売却できそうなのかを検討する。
売れそうもないのであれば処分業者に処分を依頼することになる。
そのお金も用意する必要があります。
ソファとベットのマットレス部分は解体が必要
処分に一番困るのがソファとベッドのマットレス。
この二つはそのままでは粗大ごみとして出せない自治体があるので
確認しておく。
理由はスプリング(金属)、綿が両方合わせて作られているため
自治体のルールとして別々に解体しないと受け付けられない
ということがある。
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自治体が決めたルールだから仕方ないわね
これも処分業者に料金を払って処分する必要があります。
素人でやれなくもないですが、大変な作業です。
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ソファやベッドを買う時は
捨てる時のことも考えておこう。
ベッドのフレームの部分はのこぎりなどで切断して
所定のサイズ内に収めれば粗大ごみや、可燃ごみとして出せることが多い。
自治体のごみ処分ルールを確認しよう。
処分業者もたくさんあります。
(詳しくないのでおすすめとまではいえません。
調べる手間が惜しい方は下記からどうぞ)
不動産業界の実態
入居者である私たち素人が対等な交渉をするのは難しい
このような仲介業者が存在し、
会社として運営していけるのは
入居者とオーナー・仲介業者の
知識の差がものすごく大きいからだ。
入居者が何もわからない素人、
オーナー・仲介業者が専門的な知識や経験をもったプロ。
このような構図で素人である入居者が
相手と対等な立場で交渉すること時代が
無理のある状況である。
であれば私たち入居者にできる
自衛手段としては
「ちゃんとあなたたちの仕事ぶりをチェックしていますよ」
と牽制することが限度である。
「相手は何も知らないな」と踏んでいるから
割高、有利な条件をしれっと入れられてしまう。
これを防ぐことが交渉の主軸となる。
オーナー、仲介業者の立場で考える
オーナーから見た入居者
オーナーから見ると困る入居者は
- お金を支払いが遅れる・払わない
- 文句・クレームが多い
- 社会的信用が低い
とにかく信用ならない人を入居されることが最も怖い。
仲介業者から見た入居者
- 借りるか借りないかはっきりしない
- 借りるつもりもないのに来店する
賃貸契約が成立してはじめて仲介手数料という
売上が発生するので、
お客になるのか、ならないのか?
それによって態度が全く異なる。
参考資料
お金の大学
一生お金に困らない
5つの力が身につく
実践型ガイドブック貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う
表紙より抜粋
今日が人生でいちばん若い日。
お金の不安がない自由な生活を
手に入れるために、
学びの一歩を踏み出そう!表紙裏より抜粋
著者:両@リベ大
賃貸物件を安く借りたり、
無駄な費用を払わないためのコンテンツも
書かれている。
引越しや賃貸契約に慣れていない方は
事前に必ず知っておくべき知識が書かれている。
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無防備で仲介業者に行くのはやめよう。
家賃を2割下げる方法
これめちゃオススメ。住宅研究としてもおもしろい。/ 家賃を2割下げる方法 https://t.co/Wml5bdnzSB #Amazon
— よしだとしふみ (@tsfmysd) August 8, 2019
家賃は今すぐ下げられる! ――家賃崩壊時代にトクする知恵
家賃は今すぐ下げられる!/日向咲嗣
— ぱぴこ (@semi_puro) August 16, 2021
日本の空室率は20%
家賃平均は年々下がっている
長く住み続けるほど損
値下げ交渉は他と比べて高い場合2年契約更新時に
調停に持ち込むのもアリ 費用は数千円、手間は数週間に1回の出廷
困ったら借地借家法第32条1項
世帯主は全員読んだ方が良い
思ったより良書 pic.twitter.com/WIZ6SoNmyg
正直不動産
著:大谷アキラ
原案:夏原武
脚本:水野光博
賃貸物件を借りる側ではなく、貸す側を主軸に描いた人気マンガ。
嘘をつくこともいとわないやり手の不動産営業マンが、
ある日、嘘がつけない身体になり、
自分にも不利になるようなことでも
何でも正直に話すことしかできなくなる。
そこで次々と客と揉めたりするのだが、
それでも何とかやっていく…というストーリー。
このマンガは素人である我々には絶対に見ることができない
裏側を「垣間見ること」ができる。
そんな中に飛び込んだ素人が騙されない方が難しい。
商売だから利益を上げなくてはならない部分もあるが
彼らの犠牲や養分にならないように気を付けて欲しい。
ちなみに各話のタイトルを並べてみた。
- 敷金・礼金泥棒
- 囲い込み
- 店舗契約
- 新・中間省略登記
- 建築条件付土地売買
- 瑕疵担保責任
- 告知義務
- 使用賃借
- 融資特約
- 預り金
- あんこ業者
- 借地権
など

不動産業界は根が深い。
こちらの動画でも紹介されている。
やさしさを「強さ」に変える心理学
アメリカの不動産業者との交渉はもっと大変。
さすがは「すべては自己責任」の国というだけのことはある。
加藤諦三さんの「やさしさを『強さ』に変える心理学」という
本の中にアメリカで中古の家を買うときに
弁護士や不動産屋とトラブルになった出来事を語っています。
78ページ~85ページに書かれていました。
- アメリカで家を買う場合は弁護士に依頼する
- アメリカでは家の建築や増築、改築にものすごく制限がある
- 制限内容は州どころか町ごとで異なる
- アメリカでは自分で不動産物件を探すのは不可能に近い
- 家の設備(ガス、水道、ボイラーなど)がちゃんと動くか専門の業者に依頼しなければならない
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読んでいると弁護士や不動産屋は
金を巻き上げようとする意識がものすごい。
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もちろん誠実な弁護士も不動産屋もいるけど、
信用できる人を見抜く力が必要だね。
一度、カモだと思われたら
骨の髄まで吸い取られる。
それがアメリカ社会の一面。
日本のような感覚では渡り歩けない。
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加藤諦三氏の本にはアメリカの不動産トラブルについての
エピソードを他の著書でも書かれているので
氏の著書でアメリカの不動産の実態がわかる。